海外道中記
出発1ヶ月前の緊急事態
忘れもしません、9月11日深夜。
米国アクションプロダクツ社から送られてきた床ずれの解説ビデオを自宅で四苦八苦しながら和訳し、ようやく完了したのが0時過ぎ。
ビデオの電源を消すと自動的にNHKが映され、目に飛び込んできたのがあの世界貿易センタービルに飛行機が衝突する映像。

 始めは映画か昔の事件の記録フィルムかと思っていました。ところが、どのチャンネルに替えても同じ映像に引きつったアナウンサーの顔、顔、顔・・・。
父が貿易商をしていましたので、小さい頃からアメリカは馴染みがあり、外国の中でも特に好きな国でした。それだけにショックは大きく、結局明け方近くまでニュースにくぎ付けになっていました。

 それから数日して、このテロ事件は思わぬところにも影響が出ていることを知りました。ニューオーリンズで開催される米国で最大の福祉機器展『メドトレード』の開催が中止されるかもしれないというのです。
また、メドトレード見学を予定されていた日本褥瘡学会関係の先生方や福祉業界の関係者の中に、キャンセルされる方が相次いだのです。
2次3次のテロが噂されていましたし、万が一のことがあってはとのご判断ですが、私は並外れた楽天家ですので、大して悩むこともなく予定通りにアメリカ行きを決意したのでした。

 10月になる頃には、メドトレードの事務局からも予定通り開催するので是非きて欲しいとの書面が届きました。ただし、注意書きとして場内のいかなる場所でもいかなる時でも荷物チェックを行うのでそれには必ず従うようにとありました。