他のホテルのことばかり書いて肝心のミラージュのことを書いていなかったので、慌ててご紹介します。
ラスベガスは90年代に入って急速にテーマホテル化していったのですが、ミラージュホテルはそのパイオニア的存在です。

火山噴火のアトラクション、ホワイトタイガーが闊歩する庭、熱帯魚が優雅に泳ぐフロントデスク、ホテル内を覆う熱帯雨林などなど、現在のラスベガスの原点
はすべてミラージュホテルにあります。特に莫大なコストをかけて作った火山噴火のアトラクションは、後のトレジャー・アイランドやベラッジオのアトラク
ションへと受け継がれています。地元タクシーの運転手さんによると、もう20年くらい走っているそうですが『ミラージュがなかったら今のラスベガスはな
かった』と言いきっていました。ここ数年に完成したホテルは、確かによりすばらしい設備とアトラクションを備えておりミラージュは目立たなくなってきてい
ますが『砂漠の蜃気楼』、そんなミラージュが私は好きです。

ミラージュのショーステージは『ジークフリート&ロイ』という二人のマジシャンによる劇的マジックです。ホワイトタイガーが一瞬で消えたり、ステージで消
えたジークフリートが5秒後には高さ数十メートルから現れたりといったマジックに加えて、多くのダンサーを交えた劇になっています。1990年の公演以来
ほぼ毎日の公演を行ない、年間40万人の人を楽しませ約50億円の興行収入があったそうで、ベラッジオの『O』と並んで、ラスベガス二大トップステージの
一つでした。

『でした』と過去形になっているのには訳があります。
実は2003年10月3日、私が6回目のラスベガス訪問の前日に、あろうことかホワイトタイガーがロイ・ホルンさんの首に噛みついてしまったのです。一命
は取りとめましたが、大量出血のため心臓発作を起こし2度の緊急手術を受け、一時は危篤状態だったそうです。『ホワイトタイガーが興奮して飛びかかった』
という観客の"証言"もありますが、ジークフリートさんは『ステージで転倒したロイを心配したモンテコア(7歳のホワイトタイガー)が、親猫が子猫の首を
咥えて運ぶようにロイを舞台裏に連れて行った。人間にはトラのように分厚い毛皮がないことと、自分の噛む力が凄い力ということが分かっていなかったので、
このような事故になった。もしもロイを殺すつもりで噛んだのであれば簡単に殺せたはずだ』というようなコメントを発表しています。
このショーをあまりの楽しさに2度も観た私としては、ジークフリートさんのコメントがモンテコアの"本心"であって欲しいと思いますが、いずれにしても公
演は終了で再開の可能性はなさそうです。ジークフリート&ロイショーに替わるショーはあり得ないのでは?という悲観論が全米を揺るがしました。日本でも
ニュースなどで報道されたそうですので、ご記憶の方も多いと思います。熱烈なファンの一人として、ジークフリート&ロイがどこかで復活しているのかどうか
と、重大な過ちを犯してしまったかもしれませんがモンテコアの処分が寛大であったかどうかが未だに気掛かりです。。

場所的には現在のラスベガスの中心地にあり、歩いて行ける範囲にベラッジオ、トレジャー・アイランド、パリス、ベネチアンなどの豪華ホテルとフォーラム
ショップスがあります。ニューヨーク・ニューヨークやルクソールなどもユニークで良いホテルですが、中心地までは徒歩で行くには勇気がいる距離にあります
ので、中心地のホテルに泊まってそこを基点にホテル巡りをするというのがお勧めです。