中央駅までの観光スポットご案内
観光ルートとしては、カイザーブルク城から中央駅方面に行くルートと、逆に中央駅方面からカイザーブルク城に行くルートとがありますが、お勧めは何と言ってもカイザーブルク城を起点にするルートです。なぜなら、カイザーブルク城はかなり高い所に位置しているので道の傾斜が凄いのです。これを登って行くとなると、かなり脚力に自信のある方だけです。私も増田もまだまだ若いつもりですが、展示会で
疲れきった足では高い方から転がるように下っていくのが精一杯です。

カイザーブルク城から3分くらい降りると、フェンボハウスと言う建物があります。現在は博物館ですが、1596年頃に商人の住居として建てられたとのことです。時間的に中には入りませんでしたが、聞くところによると天井や壁には見事な彫刻が施されており、たくさんある部屋のすべてに300年以上前の絵や木彫品、家具などの調度品が見られるそうです。冬季以外は一般公開していますので、時間があれば行って見て下さい。

更に1、2分で進行方向左側に市役所があります。1622年に完成の建物で、日本ではちょうど徳川幕府が
3代目将軍家光にバトンタッチされる頃です。建物自体は市役所ですので入場料などはいらなく、営業時間(?)内であれば誰でも入ることができます。
この市役所の地下には実は恐ろしい遺物が残されています。それは拷問部屋です。実際に使われた拷問道具が今でも展示されており、1813年に拷問は廃止されたとありますが、第二次世界大戦中などで一時期は復活していたそうです。

市役所の正面にそびえる2本の塔が目印の教会は聖ゼバルドゥス教会です。高層ビルの無いニュールンベルクでは、町の至る所からこの教会の2本の塔が見え、その存在感をアピールしています。1225年に着工し、実に258年間改築・増築を重ね完成したのは1483年ということです。

私が"教会"という建物に入ったのは、実はニュールンベルクとデュッセルドルフ、ケルンの出張での『有駄有駄タイム(前述参照)』の時しかありません。道中記のデュッセルドルフ編でご紹介しますが、特に『ケルンの大聖堂』の規模は壮大で、あまりの凄さにカメラのシャッターを押すことも忘れてしまいます。しかし中に入ってみると、予想より天井は低いのです。てっきり外観の通りに内部の天井も高いと思っていたのですが、内天井と言うのでしょうか中は適当な高さで天井があります。もっとも、それでも物凄い高さですが・・・。
この頃の教会の特徴は、まったく私の個人的な意見ですが
豪華絢爛さだと思います。多分、時代的に宗教と権力の結びつきが強い頃ですので、威厳を示す象徴だったのではないでしょうか。何と言っても皇帝の城よりもお金をかけているのですから・・・。

聖ゼバルドゥス教会から3分くらいで中央広場に出ます。まるで青空市場のような所で、果物や野菜、日用雑貨など様々な物が屋台で売られています。クリスマスの数週間前にはドイツで最も有名なクリスマス市が立つことでも有名なこの広場には、シェーナー・ブルンネンと言う綺麗な噴水があります。水はモーゼと旧約聖書の預言者七人を最上段に全4段層からできており、残念ながら1400年頃の完成当時の彫刻は風化のため一部が博物館に保管されているだけで、現在のものは1900年頃に複製されたものです。しかし、保護するための周りの鉄格子は1587年にパウルス・クーンが作ったものです。

ちなみにクリスマス市は、もちろん私は行ったことがありませんが、17世紀始めにドイツで最も古くから開催されていたそうです。クリスマスにプレゼントをする習慣がこの頃に生まれ、今でも
百数十台の屋台でお菓子やケーキ、クリスマスツリーにおもちゃまで子供が喜ぶものなら何でも売っており、毎年200万人もの観光客で賑わうそうです。

中央広場には、もうひとつ1358年に完成した聖母教会と言う名所があります。この教会は有名な『プラハの大聖堂』建築者の一人ペーター・パルラーというによって建築されており、聖ゼバルドゥス教会教会のような高さはないものの贅沢な装飾で見る人を楽しませてくれます。

正面の大時計は正午になると、中央に座るカール4世皇帝の周りにいる七人の家来(?)が回りだすという大きなおもちゃのような工夫がされており、完成が1500年頃ということですので、その後に世界的に有名なおもちゃの町になったというのが頷けます。
中にはもちろん無料で入れますが、ここ聖母教会もドイツを代表する教会だけあって内部の至るところに装飾が施されています。時間をたっぷりかけて、飾られた彫刻の人数を数えてみようと思ったことがありますが、それは無理というものです。祭壇の周囲はもちろん、壁や柱に至るまでこれでもか、というほどに彫られていて天井付近などはカメラの望遠レンズを使わなくては肉眼では見えません。(笑)

ホテルで自炊ができるのであれば中央広場で野菜やソーセージ、果物を買って食べてみたいのですが、炊事場の無いホテルなのでそれも叶わず、いつも買い物を楽しんでいる人を
羨まし気に見るだけです。97年に来た時にこの市場の中の日用雑貨を売っている屋台で、微塵切りからキュウリなどの皮むき、輪切り、刻みなど何でもできる万能おろし板セットが売っていて妻への土産に買って帰りましたが、その翌年にテレビ通販で同じものが大ヒットしていました。ドイツはゾーリンゲン地方に代表されるように刃物でも国際的に有名ですが、もしも私がその万能おろし板セットのメーカーに連絡をとって輸入していたら一財産できていたと地団駄を踏む一方、現地の人にとっては当たり前で売られている商品も、国が変わればとても新鮮かつ便利で興味を引くこともあるのだと、いよいよ
有駄有駄タイムを大切にしています。

中央広場をもう少し中央駅側に進むとすぐに博物館橋と言う橋に差しかかります。その橋から進行方向左側を見ると、ペグニッツ川を横切るように綺麗な建物があります。この建物の一階は『ハイリヒ・ガイスト・シュピタール』というドイツ料理のレストランで、私はいつもニュールンベルク最後の夕食はここで食べることにしています。最後の夜を飾るのにここ以上のレストランはまだ見つけていません。

話を元に戻します(始終はぐれっぱなしとは言わないで下さい!)が、このレストランのある辺りを"養老院地区"と言うそうで、先に進むとこの道中記の始めの方で紹介した職匠歌人ハンス・ザックスの記念碑があるハンス・ザック広場があります。まだ時間的に行ったことがありませんので、もしも行かれた方は当道中記でご紹介したいので写真をお譲り下さい。

もう間もなく観光コースも終わりですが、博物館橋を越えて更に3分くらい歩くと左手に聖ローレンツ教会があります。外観上は先にご紹介した聖ゼバルドゥス教会ととても似ており、聖ゼバルドゥス教会より35年遅れで完成。やはり200年くらいかけて増改築が行なわれたところなどもそっくりです。第二次世界大戦で2本の塔と外壁を残して潰されたそうですが、1952年に今のように復元されました。中央にある祭壇付近には天井から
"天使の挨拶"なる作品と、ロウソクが無数に立ててある大きな燭台が降りています。どの教会もそうですが、石造建築のせいか中は気温が5度くらい低いようです。余計なお世話かもしれませんが、冬に礼拝するのはとても寒いだろうと思います。仮に暖房があったとしても、広い面積に何十メートルもの高い位置にある天井。とても温もるとは思えません。

以上が私がニュールンベルクに来た時にいつも通る観光コース(と言うより散歩コース)です。もちろん、まだまだ博物館など様々な歴史ある建造物はありますが、最も短時間で道に迷うことなく(一本道です)主だった所だけでも見て回るなら、このコースしかありません!しかし、今回はもう少しだけ時間がありましたので、思い切って道を逸れてみる事にしました。
聖ローレンツ教会をまっすぐに進むと中央駅前に出ますが、向かって右に曲がりまっすぐ進むとじきに先の尖った高い塔が見えます。

これは"白塔"という建物で、外敵から町を守る防御壁の門塔です。13世紀に作られたままで、現存する最も古い門塔だそうです。
この白塔の前には何やら奇妙な芸術作品があります。噴水の周りにいくつかの夫婦や家族が描かれていますが、仲睦まじいものよりも醜態を晒している方が多いように感じます。作者は本道中記に何度も登場している職匠歌人ハンス・ザックスで、現地駐在している日本人の人に教えてもらった話によると、人間が
動物と夫婦になったとした時の喜怒哀楽がテーマだそうです。奇妙さに納得。