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海外道中記
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ニューオリンズの復興を願って・・・ (ニューオーリンズ編)
2005年8月29日。ニューオーリンズは、大型ハリケーン 『カトリーナ』 の直撃によって市内の80%以上が水没、壊滅的な打撃を受けました。 翌30日の報道では『少なくとも55人が死亡』でしたが、その1週間後には『死者1万人が現実化』、『ニューオーリンズを復興させるよりも、放棄して新たな地に町を作るとの案も浮上』と変わりました。

 風速時速165マイル(約270キロ)。台風の多い日本でも、まったく見当もつかない超強風です。そんな悪魔のようなハリケーン に襲われたニューオーリンズは、私にとってアメリカ国内で最も好きな町の一つでした。
以下の道中記本文でご紹介している観光情報や写真は、すべて全米の中でも貧困層の多い、しかしジャズ発祥の地としていつも 人懐こい黒人の笑顔と陽気に包まれた『ハリケーン前のニューオーリンズ』のものです。

 復興には数年、あるいは10年以上の時間と、概算でも20兆円以上という莫大な費用がかかりますが、1日も早くニューオーリン ズが以前のように活き活きとした人で溢れかえり、町のいたる所でジャズの生演奏が聴ける、そんな古き良きアメリカを象徴する町と して復興することを心より祈ります。




   

出発1ヶ月前の緊急事態 (ニューオーリンズ編)
忘れもしません、9月11日深夜。
米国アクションプロダクツ社から送られてきた床ずれの解説ビデオを自宅で四苦八苦しながら和訳し、ようやく完了したのが0時過ぎ。
ビデオの電源を消すと自動的にNHKが映され、目に飛び込んできたのがあの世界貿易センタービルに飛行機が衝突する映像。

 始めは映画か昔の事件の記録フィルムかと思っていました。ところが、どのチャンネルに替えても同じ映像に引きつったアナウンサーの顔、顔、顔・・・。
父が貿易商をしていましたので、小さい頃からアメリカは馴染みがあり、外国の中でも特に好きな国でした。それだけにショックは大きく、結局明け方近くまでニュースにくぎ付けになっていました。

 それから数日して、このテロ事件は思わぬところにも影響が出ていることを知りました。ニューオーリンズで開催される米国で最大の福祉機器展『メドトレード』の開催が中止されるかもしれないというのです。
また、メドトレード見学を予定されていた日本褥瘡学会関係の先生方や福祉業界の関係者の中に、キャンセルされる方が相次いだのです。
2次3次のテロが噂されていましたし、万が一のことがあってはとのご判断ですが、私は並外れた楽天家ですので、大して悩むこともなく予定通りにアメリカ行きを決意したのでした。

 10月になる頃には、メドトレードの事務局からも予定通り開催するので是非きて欲しいとの書面が届きました。ただし、注意書きとして場内のいかなる場所でもいかなる時でも荷物チェックを行うのでそれには必ず従うようにとありました。




   

 -豆知識:ニューオーリンズとジャズ (ニューオーリンズ編)
ニューオーリンズは知る人ぞ知る、ジャズ発祥の地です。マニアの人にとっては生きているうちに一度は行ってみたい、そんな場所なのです。毎年4月の最終週 末から10日間にわたって開催されるジャズ祭『ジャズフェスト』は、1970年からの開催以来、今では世界中からファンが訪れるようになり、ジャズと少し でも関係がある音楽、例えばブルースや、フォーク、カントリー、レゲェ、ラテン等々、すべて演奏されます。出演者もオーネット・コールマンやボブ・デュラ ンなど豪華メンバーが顔を揃えることで有名です。


ph-p-16.jpgしかし、4月以外の普通の時でもショーハウスはもちろん、ホテルのロビーから喫茶店、レストラン、街角に至るまでありとあらゆるところでジャズの生演奏が されており、ジャズマニアでなくても十分に楽しめます。と言うよりもジャズファンになっちゃいます。バーボン通りやロイヤル通りなどは夜は年がら年中お祭 り騒ぎですので、思いきって繰り出すことをお勧めします。池袋や新宿なみに人が多いので、路地裏に迷い込まなければそれほど危険性はありません。




   

 -豆知識:ニューオーリンズってどんな街? (ニューオーリンズ編)


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ニューオーリンズは、96年にオリンピックの開催されたアトランタやディズニーワールド・ユニバーサルスタジオのあるオーランド、マイアミなどと同じ"アメリカ南部"にあります。





ph-p-8.jpg気候的には九州の南部くらいで、日本人にとってはハワイやロスほどメジャーではありませんが、アメリカ人にとっては一度は訪れてみたい観光地です。料理はフランス人が伝えたケイジャン料理とフランスやスペインの血をひく人(クレオール)の家庭料理であるクレオール料理が代表的なものですが、どちらもスパイスをふんだんに使った魚介類、穀物類でグルメな日本人でも十分に楽しめます。ちなみに、自称グルメ通の私もザリガニのてんこ盛りだけはギブアップしましたが、それ以外はすべておいしく戴きました。






ph-v-24.jpg観光面では1850年頃完成したアメリカ最古のアパートや1823年にアメリカで初めて薬剤師免許をとったルイス・ダフィーヨ氏が開いた薬局、日本でも有名なラフカディオ・ハーンが来日前に住んでいた家、1811年に完成したアメリカで最初の超高層ビルなどがそのまま残っています。ただ、ハーンの家は今は扉を抜けるとストリップ劇場ですし、超高層ビルも当時は衝撃的なニュースであったでしょうが実は単なる4階建てで今でも入居者はいます。日本人の感覚ではそのような建物はすべて文化財になって保護されそうなものですが、そこはアメリカ、国が保護していないからと言って壊す人がいるわけではなく、今でもしっかりと建物として機能しています。
ただ、ガイドブックで確認せず普通に歩いていると絶対に名所だとは気付きそうにありませんのでご注意を。

ph-v-25.jpgあと、観光で見逃せないのはフランスの植民地時代の名残が残る『フレンチ・クォーター地区』やミシシッピー河を蒸気船でクルージングするツアー(4時間で30ドルくらいです)、夜になるとあちらこちらで繰り広げられるジャズの生演奏です。
詳細は本文中でご紹介しますので、お楽しみに。

ショッピングは、高級ブランド店が並ぶような高級ショッピング街はないものの、地元や中南米産の土産は豊富です。まあ、飾らない土地柄と言いましょうか、そのかわり地元の人はおおよそ明るくて親切です。






   

いざアメリカに向けて出発! (ニューオーリンズ編)
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10月22日。その頃のアメリカは炭素菌という新手のテロで上院、下院やマスコミが被害に遭っていて、依然として緊張状態でした。出産1ヶ月前の妻は『いってらっしゃい』とは言うものの、顔がいくぶん引きつってました。私ほどの楽天家ではなかったようです。

 荷物チェックが厳重だろうと予測してフライトの3時間前に空港に着きましたが、確かに度を過ぎるほどに入念なチェックを受けたものの、乗客自体が激減していましたので、結局は通常より早くゲートを通過しました。



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搭乗したのはノースウェスト航空70便。ちなみに私はアメリカに行く時はいつもノースウェスト航空です。安売りチケットでもマイレージが100%つくことと、期限がない、ポイントを人に上げたり貰ったりできるということが気に入ったからです。一昔前はサービスが悪いことを揶揄されて『貨物航空』なんて言われていたらしいですが、今はそんなことありません!・・・と思います。

 ニュースで見て予想はしていましたが、乗機率は20%から30%程度と、とても悪く、乗客みんなが1人で4人分の座席を独占していました。肘掛けを上に上げると176cmの私が寝転がっても足は出ません。
楽ではあったけど、同時に何とも言えない淋しい感じがしました・・・。





   

やっとこさニューオーリンズ到着 (ニューオーリンズ編)
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現地時間で10月22日の20時30分、日本時間で10時30分。ニューオーリンズ空港に無事到着。関空からの直通便はないので、デトロイトで乗り換えをし更に2時間40分。思えば家を出た瞬間からでは実に20時間。
5冊持ってきていた本もこの時点で3冊を読み終わってしまってました。




ph-p-15s.jpgもし今後行かれる方は、時間はたっぷりありますので多めに本を持っていかれてはいかが?












   

 -豆知識:航空会社の選び方 (ニューオーリンズ編)
海外旅行でどの航空会社を選ぶかは大事な点ですが、全般的に日本の航空会社(JALやANA)の方が乗務員のレベルは高いです。また、機内放映される映画はどの航空会社も日本で公開前の話題作ですが、海外の航空会社の場合3本中1本は日本語の吹き替えも字幕もないので英語堪能な人でしか見れません。
 
 次に乗り換えですが、ニューヨークなど余程の大都市でなければ直通便はありませんので、ほとんどはデトロイト空港やミネアポリス空港で乗り換えをします。NW航空などアメリカの航空会社便であれば、到着したゲートに近いところ(歩いて行ける範囲)に国内便ゲートがありますが、日本の航空会社便は遠く離れたゲートに到着することがありますから空港内移動バスを利用しなくてはなりません。このバスが曲者で東京の地下鉄並に複雑ですから十分にガイドブックで確認しておくことが大事です。

 また、日本の航空会社と米国国内線は連動していませんので、乗り継ぎの悪いことが多く、デトロイト空港で4時間待ちなんてこともあります。飛行機の予約をとる時に待ち時間もチェックしてどの空港で乗り継ぎをするか決めると良いです。
 脅かすようなことばかりになってしまいましたが、安心していただける情報をひとつ。デトロイトは自動車工業の中心地で日本人も非常にたくさんいます。ですから、空港内の案内板には日本語も表示されていますし、よほど運が悪くなければ見渡すとどこかに日本人がいますので、声をかけてヘルプしてもらうといいでしょう。






   

 -豆知識:マイレージカードって? (ニューオーリンズ編)
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マイレージカードは、もはや飛行機に乗るときの常識と言われています。飛行した距離に応じてポイントが付き、そのポイントが貯まると飛行機代がタダになっ たり、エコノミークラス料金でファーストクラスに乗れたり、チェックインや搭乗が優先的にできたりと良いことづくめです。旅行会社で事前に申し込みができ なかっても、空港でチェックインの時や機内でも申し込みができてその旅行からポイントは貯まります。入会金も年会費も無料なので入らにゃ損!損!です。

 ほとんどのマイレージカードは有効期限があったり、ツアー旅行や格安チケットだとポイントも少しだけしか貯まりませんので、そうちょくちょくと 飛行機に乗る人でなければ特典を使えないままに振り出しに戻ってしまいますが、NW航空のように有効期限がなかったりツアー旅行でも格安チケットでも丸々 ポイントの貯まるカードもあります。
 とにもかくにも、絶対損はしませんから取りあえず持つだけは持ってください、マイレージカード。


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今回宿泊するのは、シャトーソネスタ(Shateau Sonesta)ホテルというガイドブックでは最も高いランクとして紹介されているホテルです。日本でいうとホテルオークラやニューオータニみたいなものです。
わが社は決して裕福ではありませんが、年に1回のアメリカスタッフとのミーティングやメドトレードで知り合った企業との商談をホテルで行うことが多いので、『治安が良く、それなりに豪華』なホテルを利用せざるを得ないのです。
通常の出張ではもちろん格安のビジネスホテルを利用しています。(笑)





   

 -豆知識:アメリカのホテル (ニューオーリンズ編)
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アメリカのホテルで唯一気に入らないのは宿泊料金がコロコロ変わることです。
なんのイベントもないオフシーズンなら普通のホテルは100ドル程度で泊まれますが、メドトレードのような大型イベントが開催される期間は同じホテルの同じ部屋が250ドルや300ドルに跳ね上ってしまうのです。
確かに合理的ですが、日本人の私にはなんかぼったくりをされているようでどうも馴染めません。  今回宿泊したシャトーソネスタホテルも本来はもっと高額な料金でしたが、貿易会社として培ったあらゆるコネと交渉能力を総動員してなんとか税サ込みの1泊200ドルにしました。(笑)
それでも高いですが、本文中にある通り"高級ホテル"に泊まらざるを得ない理由がありましたので・・・。
ちなみに、ホテルは基本的にシングルもダブルもツインも同じ料金です。ですから少しでも旅行代金を安くしようとすると、ツインルームに二人で泊まると宿泊代は半分になります。ただし、ツアーの場合は部屋指定をできないことが多いです。


ph-p-16.jpgところで、たいていのホテルにはロビーのどこかにコンシェルジェ(CONCIERGE)というサービス係がいます。
タクシーの手配はもちろん、『1人40ドルくらいでおいしい地元料理を19時に3人で食べたい。タクシーで15分以内で行けて日本語の話せるスタッフがいるか日本語のメニューがある店を教えて』なんて難題をぶつけても限りなく要望通りの店を見つけてくれます。
ホテル周辺や観光スポット、デンジャラスゾーン(危険な地域)などを教えてもらうのもいいですし、とにかく困ったら声をかけるときっと力になってくれます。ただし、その難易度に応じてチップをお忘れなく。







   

 -豆知識:アメリカの治安 (ニューオーリンズ編)
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アメリカはご存知の通り、都市の中でも道を1本隔てただけで治安の極端に悪い地域になってしまうところがあります。
アトランタである銀行に夕方行った時に『30分以内にこの地域から出た方がいいよ』と言われ理由を聞くと、日中は治安がいいけど日が沈むと無法地帯になるって言われました。吸血鬼みたいな人達がいるようです。

 出張や旅行で昼間に街中を歩く分には全く心配はいりませんが、路地裏や普通の旅行者が行かないような地域には行かない方が無難です。ガイドブックを見ながらや物珍しそうにキョロキョロしながら歩くと一目で観光客とばれますので、狙われやすくなります。
道を聞く時は、大きな店やガソリンスタンド、近くのホテルなどで聞くと安心です。車で送ってくれる親切な人もいるかもしれませんが、これは丁寧にご辞退した方が良いでしょう。
 
 また、ホテル内でもごくまれに凶悪な輩がいます。部屋に入る時は後ろに人がいないことを確認して、もしもいたらやり過ごしてから鍵を空けます。ノックさ れて従業員らしい服装をしていても必ずチェーンをつけて空けることも大事です。伝言は電話で聞くシステムが一般的ですし、通常は従業員が部屋までくること はありません。見に覚えのないルームサービスなどはしっかりと断ってください。

 最後にアメリカは日本に比べると治安が悪いと言われますが、テレビや映画であるような銃撃戦や殺人が四六時中あるわけではありません。日本にいる よりも少しの注意をすれば大丈夫です。ちなみに私の古い友人は10数年ニューヨークに住んでいますが、ただの1回も事件に遭遇したことはないと言っていま すし、私自身10数回アメリカに行っていますが、やはりそんな経験はありません。念のため。






   

がんばれ!ニッポン (ニューオーリンズ編)
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コスモ株式会社の雨宮社長(以下雨宮さん)や日本褥瘡学会理事の美濃先生(以下美濃先生)、弊社社長とロビーで待ち合わせをし、無事合流しました。
4人とも同じホテルに宿泊していますが、どうやら日本人は我々だけのようです。代わりに台湾や中国と思われる人達はたくさんいました。その人達がロビーやレストランで打ち合わせをしている姿は鬼気迫るものがあります。気迫と言うのでしょうか、とにかくものすごいパワーを感じずにはいられません。まるで生死を賭けた真剣勝負に臨んでいるようです。


ph-v-8.jpg戦後の日本を築き上げた、かつて企業戦士・会社人間と言われた人達も、当時のアメリカ人などから見るとこのように映っていたのだろうなと思いました。今の私たちの世代でこれほどの気迫をもっている人はいるだろうかと考えると、日本の栄光の時代はもはや終焉に向かっているなとがっくりしてしまいました。

 暗い横道に逸れてしまいご免なさい。ただ、その人達のお陰で一層のやる気と決意を固めることができたのは事実です。
私たち4人の日本人は、それぞれがそれぞれの立場で、それぞれの目的達成のために全力を尽くす覚悟を決めてメドトレード会場へ向かったのでありました!



   

 -豆知識:メドトレードショーとHCRってどう違うの? (ニューオーリンズ編)
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メドトレード(MEDTREDE)は、福祉・介護の展示会としては世界最大規模の展示会です。
日本で最大の福祉機器展示会は、毎年秋頃に開催される国際福祉機器展(HCR)ですが、来場者数はHCRが圧倒的に多いものの出展者数ではHCRが600数十社なのに対してメドトレードは約1200社と倍くらいの規模になります。出展者も世界約80ヶ国からエントリーがありますし、展示商品も約25万点と豊富(会場が広くて見学者泣かせでもありますが)です。


ph-p-3.jpgHCRとの大きな違いは、主観ですが国の内側に向いているか外側に向いているかだと思います。
つまり、メドトレードに出展する企業はアメリカ国内での普及も念頭に置いているでしょうが、それよりも世界に向けた情報発信にメドトレードを利用しているように感じます。アメリカを舞台に日本やフランス、オーストラリア、アジア諸国などに販路を探しているのです。私たち来場者もアメリカの企業や製品だけを探しにメドトレードに行くのではなく、メドトレードであれば世界中の福祉機器展示会を見て廻るのと同じくらいに国際的だから毎年訪問するわけです。


ph-p-4.jpgそれに対してHCRは、どちらかというと日本国内に向けた情報発信、販路の構築ではないでしょうか。
出展する日本企業はもちろん海外企業も、ほとんどはHCRでフランスやアメリカの企業と商談しようとは思っておらず、あくまでも日本国内へ向けた販売を目指して出展していると思います。

 この違いは出展商品にも大きく出ています。海外の主だった展示会で日本企業が出展していることは非常に珍しいことです。皆無と言ってもいいかもしれません。商品を開発する時に、国内だけでの販売では販売数量は限られたものになります。ですから車椅子やベッドなどある程度の販売数量が見込めるものは設備投資をしてでも開発をしますが、値段の安い(利益の低い)商品や少数の人たちのための商品(半身麻痺、リウマチの人用など)は、利益が見込めないのでなかなか商品化できないというのが現状です。

 ところが、アメリカを始め欧米各国の企業は、開発時点で国内販売だけでなく輸出も考えていますので、日本企業ができない安い商品や少数の人たちのための商品開発ができるのです。
そのため、メドトレードなど海外の展示会の出展商品の中には『こんなものまであるの?』『こんな調整もできるの?』っていうような商品がたくさんあります。
私たちのような貿易系の業者は、そんな素晴らしい海外の商品を日本の消費者の皆さんにご紹介するために存在しているのです。(宣伝みたいでごめんなさい。)



ところで、朝食はホテルのレストランでバフェスタイル(日本でバイキングと言われるあの取り放題、食べ放題システム)というのが一般的ですが、バイキングって日本でしか通じない言葉ってご存知ですか?なんでも一昔前に帝国ホテルの中にあった『バイキング』というレストランが色々な料理を取り放題・食べ放題という方式をとったのが最初で、そのレストランの名前がそのままバイキング料理というふうに世に広がったと聞いています。

 私が20代で初めて海外出張に行き出したばかりの頃、ニューヨークのホテルで『バイキングはどこ?』と聞いて『そんなものここにはいないよ!』と言われ『取り放題・食べ放題のやつだよ』と聞き返すと『そりゃあバフェって言うんだよ』って笑われて大恥をかいたことがあります。そうです、『海賊はどこにいるの?』って聞いたようなものなんです。学校で教えてくれなかったもんなぁ・・・。



   

会場は広かった (ニューオーリンズ編)
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メドトレード会場はホテルのあるダウンタウンから2Km弱くらいのとこで、歩いて行けないことはありませんが4人もいたのでタクシーに乗りました。私にとってニューオーリンズは1999年11月に開催されたメドトレード以来2度目ですが、2年しか経っていないのでさすがに風景は記憶に残っていました。
 

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会場はミシシッピ川に沿って横長で、面積的には東京で開催されるHCR(国際福祉機器展)くらいです。詳しくは豆知識『メドトレードとHCRってどう違うの?』をご覧下さい。

 私と社長は、一番に米国アクションプロダクツのブースへ行き情報交換と販売戦略会議。美濃先生、雨宮さんとは一旦バラバラに。
 会議終了は10:30くらいでしたが、とにかく昼食時までに場内を一周はしておこうとかなり足早に場内を廻りました。HCRに行かれた方はもうお分かりと思いますが、そう、無理でした。仮にわき目も振らずに一目散で駆け抜けたとしても、網目になった通路をジグザグに進むと何キロにもなるのです。結局、昼食の待ち合わせまでに半分も廻れませんでした。


ph-v-7.jpg昼食は、会場内にいくつもレストランがありますが、混雑が予想されたので4人で隣接するショッピングモールの飲食店街へ行きました。メドトレード会場と同じくミシシッピ川に沿って横長の建物で、飲食店街はハンバーガーから中華料理、シーフードなど色々な店、と言うよりカウンターがあり、買ってからどこでも好きなテーブルで食べるというものです。
 窓側のテーブルからはミシシッピ川を一望できますが、観光用の外輪船が優雅に往来しています。今回はチャレンジできませんでしたが、この外輪船による2時間30分のクルージングは15ドルくらい、ディナーとジャズを楽しむ夜のクルージングでも40ドルくらいとお手頃価格ですので時間があればチャレンジして下さい。


ph-p-18a.jpg私は午前中の続きで、少しでも興味を引く商品が展示されているブースを丹念にチェックしながら、ようやく一通り廻りきったのが15時くらい。私自身は、年中展示会に出展しており、朝から夕方まで1度も座ることがなくてもあまりしんどいと感じたことがありませんし、週末はテニスをみっちり4時間から6時間していますので体力には自信がありましたが、何故かこの時ばかりは疲れがどっと出ました。鞄がカタログでパンパンに膨れ上がっていたことと靴のせいです。普段は出展者側の立場ですが、見学する側の大変さがよく分かりました。 いつも出展者アンケートには『来場者の負担が大きいので、これ以上会場を大きくするのは如何なものでしょうか?1社あたりの小間数に制限をつけるべきでは?』と書きこみますが、これからは更に声を大にして訴えていきます!(笑)


今日の教訓『軽い靴の方が楽というのは大間違い』

これはリハビリシューズのブースで教えてもらったことですが、振り子の原理から考えるとある程度重さのある靴の方が足は疲れにくいということです。また、軽い靴は底が薄いのでコンクリートの衝撃をもろに受けてしまうことと、足首がしっかりと固定されないので捻挫を起こし易い、らしいです。
 あと、鞄はカタログやサンプル品で予想以上に重たく(7、8Kg)なることがありますので、できれば車輪付きの方が良いです。

   

こんなところにカジノが! (ニューオーリンズ編)
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時間が経つにつれて、いよいよ重くなっていく鞄と足。肩にかける鞄も最初は15分おきくらいに持ち替えていたものの、最後の方は1分おきの有様。『今日はこれくらいにしといてやるか』とばかりに会場を後にしました。
 1人でタクシーに乗るのももったいない気がして、一人淋しくテクテクとテクシーで帰ることにしました。



初めての大きな交差点で、どこかで見た看板『Harrah's』。ハラスとは、思えばラスベガスにあるはずのカジノ!
競馬や競輪などしたこともなく、パチンコすら滅多にしない私ですが、新婚旅行でラスベガスに行って以来カジノだけはなぜか病みつきになってしまったのです。会場には椅子がなかったので、疲れた足を休めるために(本当はカジノに入りたかっただけですが)ハラスに吸い寄せられるように入りました。

テーブルゲームではブラックジャックが好きで、早速、空いているテーブルに座りました。
 カジノって何が楽しいかと言うと、コインゲームの場合は機械相手ですが、数千万円から十数億円も当たる可能性があるということです。
 ちなみに10万円程度の当たりなら日常茶飯事的にあります。私ですら2、3日に1回くらいは当ててますから。ただ、そこは人間心理。当たればより高いレートのゲームにチャレンジして結局はチャラです。もっとも、ほどよい自制心を備えてさえいればぼろ負けすることなんてありません。客がぼろ負けして2度と来なくなるよりも、長い時間遊んで(楽しんで)もらう方が良い事をカジノ側は知っていますので、パチンコと違って適度に勝たせてくれます。

 もう一方のテーブルゲームは、ポーカーやブラックジャックなどトランプゲームをディーラー相手にするわけですが、こちらは一攫千金は狙えませんがディーラーや同じテーブルの他の客とおしゃべりを楽しむことができます。片言英語でも身振り手振りで十分です。ある意味で最も外国人と身近に接しられるのはカジノかもしれません。

 一時間くらいブラックジャックをすると、足の疲れが取れたので帰ることにしました。結局わずかながら勝ち。
 余談ですが、カジノではすべてのドリンク(ジュースやビール、水割りなど)が無料ですので、喉が乾いた時に入るというのもありです。
 ただし、持ってきてくれたバニーガールにチップを1ドル払うのが習慣になっています。

   

 -豆知識 保険には加入していますか? (ニューオーリンズ編)
海外に出張や旅行で行く時に、絶対に見落としてはいけないのは海外旅行保険です。掛け捨てですのでもったいない気もしますが、それは無事に帰国しての話で す。60歳満期の生命保険に入っていた人が60歳まで入院もなく元気に過ごしたからといって、『生きてて損だった。手術するような病気にならなくて損だっ た。』とは言いませんよね。それと同じです。

 海外では病院で治療などすると全額個人負担となり、極端には救急車を手配するだけでもお金のかかるケースもあります。
 ある旅行会社の 情報ですが、孤島のリゾートホテルでリフレッシュ休暇をとっていた旅行者が、持病の心臓発作を起こし意識不明になったそうです。しかし病院などはなく、急 遽チャーター便で一番近い都市の病院へ搬送され一命を取り止めました。問題はそこからです。往復のチャーター便や治療費、入院費、帰国するための正規運賃 等々で、なんと2,000万円の請求書がきたということです。生命保険に入っているからと安心していたその人、海外では適用されないと聞いて顔面蒼白だっ たそうです。

 冗談のような話ですが事実です。一般的な生命保険は海外での治療、入院には使えません。ツアー旅行ならたいていは海外旅行保険が付いているか、少 なくとも案内はしてくれると思いますが、そうでなければ是非、海外旅行保険に入ることをお勧めします。万が一忘れていたとしても、空港カウンターですぐに 手配できますのでご安心を。また保険の内容については死亡や治療、入院が基本ですが、わずかな金額で盗難や傷害(こちらの不注意で他人に怪我をさせたと か、窓ガラスを割ったとかを保証してくれます)などもカバーできますので、同じ入るならすべてを包括したパッケージが良いと思います。

 最後にお持ちのクレジットカードによっては、海外旅行保険が自動的に付いているものもありますが、注意が必要です。旅行費用をそのクレジットカー ドで事前に支払っていなくては使えなかったり、盗難や傷害は対象外であったりということがあります。また、保証金額が十分でなかったり、新規にカードを もってから一ヶ月は対象外などということもありますので、十分にクレジットカード会社のサービスセンターで説明をお聞き下さい。
 では、安心のできるご旅行を。




   

飽食の国アメリカ、を実感 (ニューオーリンズ編)
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夕食は全員一致でシーフードと決定。コンシェルジェに紹介と予約をしてもらって、『Mike Anderson』へ行きました。宿泊しているシャトーソネスタホテルから徒歩わずか3分くらいのレストランで、何と言っても生牡蠣がおいしかったです。ケチャップでも良し、塩レモンでも良しで最高でした。

 時間が早いせいかあまり客は入っていませんでしたが、4人で行って4人テーブルに案内されました。当たり前のことですが、なんともテーブルが小さ い!料理がきたらさぞかし窮屈だろうと、ウェイトレスに6人テーブルへのチェンジをお願いしましたが、もうじき混んでくるので駄目とつれない返事。再度5 ドルチップを付けて頼むと、今度はニコニコ笑って案内してくれました。(笑)


これこそアメリカなのです。自分の担当する6人用テーブルに6人が座るとチップは6人分。ところが4人しか座らないとチップは4人分しか入りません。そこ でその差額を5ドルのチップで埋めるというわけです。サービス業に従事する人たちは賃金が低くチップも重要な収入源ですから、極端に言えばチップの金額に よってサービスの変わることもあり得るのです。


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それにしても元祖飽食の国アメリカ、その量にはびっくりします。特に雨宮さんの注文した日本で言うミックスフライ定食、これは笑えました。大食い選手権な みです。二人前、いや三人前はあろうかというボリュームで、しかもフライ!油料理であの量ですから見ているだけでも満腹感いっぱいになってしまいます。 こっちの人は体が大きいからこれくらい食べるのかなぁと思って見ていると、やっぱりみんな残してました。作った料理の少なく見積もっても三分の一がごみ箱 行き。幼い頃に『ご飯粒を残すとバチが当たるよ!』とか『夜にお化けが出るよ!』なんて言われて育った世代ですが、物理的に考えても食べるのは無理です。 胃袋の大きさの何倍もあるんですから・・・。
 強いて言うなら、『ご飯を食べられないくらいに作るとバチが当たるよ!』ではないでしょうか。
皆さんはどう思われます?
   

夕食後。さぁ仕事だ! (ニューオーリンズ編)
夕食後、美濃先生はジャズバーのハシゴに行かれましたが、私は酒がほとんど駄目なのと仕事があるのでホテルに戻りました。
美濃先生は熱狂的なジャズファンで、夜が更けてくるにつれて通りのあちらこちらでジャズが聞こえてきますので、多分、心を弾まされていることと思います。 私は、その楽しみは明日に置いておくこととして仕事に取りかかります。決して仕事熱心なのではなく、記憶力に問題があるので今日見た様々な商品や会社をも う一度目を通して整理しないと、明日の商談ができないからなのです。

 明日は、整理して絞りこんだ商品や会社のブースに"英語堪能な"私どもの社長と再訪問して本格的な商談をするのです。
取引上聞くことは何か、決めなければいけないことは何か、事前に整理しておかないと、残念ながら私の英語力では十分な商談ができないという次第です。

 最近は商売も難しくなってきました。3年くらい前までは帰国してから十分に検討した上でファックス商談ができましたが、最近は帰国してファックスを送ると『もう日本の輸入総代理店はできた』ということも稀にですがあります。
  それはつまり、展示会場で契約を締結するケースが増えてきたということです。考えれば怖いことです。初めて会った人どうしが、お互い相手のことをろくに調 べないままに重要な取引契約を締結するというのですから・・・。そんなケースはまだまだ少ないですが、徐々に増えてきていることは確かなようです。そのこ とが、早いスピードで良い商品が日本に普及するということにつながるのであればハッピーエンドですが、中には消費者を裏切るようなとてもずるい会社もある ようです。






   

今回もやっぱり、見落とし恐怖症 (ニューオーリンズ編)
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展 示会二日目。現地時間で10月24日水曜日です。今日は美濃先生、雨宮さんとは展示会場までご一緒でしたが、私と社長は米国アクションプロダクツのスタッ フと新商品の打ち合わせがあったので、会場で別れました。その内容は企業秘密(笑)ですし、お読みの方にとっては退屈する内容なので省きます。

 その打ち合わせと昼食時以外は、ひたすら会場内を廻っていました。昨日と合わせると何周したかわかりません。
 しかし、毎度のことながら廻っても廻っても新しい発見をしてしまうのです。『あれ?こんな商品あったかな?見落としていたのでは・・・。』
と思い始めると、他にも見落としている商品があるかも、と恐怖に駆られてもう1周となってしまうのです。

 雨宮さんが見つけたヒット商品にこんなエピソードがあります。物はどこにでもある歩行補助具。私もそのブースの前は何度も通ったのですが、特に気 にかけてませんでした。ところが、雨宮さんはそこに大きな違いを見つけたのです。従来の歩行補助具は自転車のようにレバーを握るとタイヤにブレーキパッド が押し付けられて止まるわけですが、それではタイヤが磨耗するとブレーキのききが悪くなるという問題点があります。ところが、雨宮さんが目を付けた商品は ドラムブレーキだったのです。車輪(プラスチックなど)の内側にブレーキパッドを押し付けるタイプなので、タイヤの磨耗に影響を受けません。その他にも 使ってみないと分からないようなところに色々な工夫がしてある優れもので、その商品開発の心意気もですが見つけた雨宮さんには感服します。ふつう25万点 の商品の中の、これまた何十種類もある歩行補助具の中から見つけます?そんな小さな違い。

 その1件までは、私は例えば音声認識電動ベッドやコードレス昇降機みたいな、それ自体が珍しいというような商品ばかりを探していました。ですが、それ以来、目を皿のようにして場内をひた歩き『密かに差別化された既存商品』を"発掘"することを楽しみにしています。

 話がまた逸れてしまいましたが、つまり何周廻ったとしても、1つでも見落としていた商品があったりそんな発掘をしてしまうと『他にも見落としがあるんじゃないかな』と、居ても立ってもいられなくなってしまうのです。
 私が満足して展示会場を後にすることがあるとしたら、1周じっくりと廻っても、すべてチェック済みか興味のない商品であるという時ですが、残念ながらまだ一度もそんなことはありません。

 悔しいのは、雨宮さんとホテルのロビーなどで見つけた商品の情報交換をするのですが、『西村さん、見ました?こんな面白い商品ありましたよ』と言われて、不覚にも記憶にない時です。しかも私にとってもおもしろいと感じる商品であった時はなおさらです。
 もちろん私も応戦します。私が見つけた商品を『雨宮さん、見ました?こんな面白い商品ありましたよ』と言って、雨宮さんが『へぇー、どこにあったの?』。ここぞとばかりに『あれ?気付きませんでした?1500番くらいのとこですよ。』と反撃します。
 私と雨宮さんの激しい闘いはこれからも続きます。(笑)

   

恐るべし!美濃先生! (ニューオーリンズ編)
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10月25日木曜日。二日間みっちりと展示会を見学し、米国アクションプロダクツのスタッフとの製品開発、販売戦略の打ち合わせも滞りなく終えました。雨宮さんは8時頃の便で日本へ向けて出発しました。
通常の展示会なら私もせいぜい現地3、4泊で帰国しますが、今回は違います。西アメリカの医療・福祉機器展と関係企業の情報を収集するためにラスベガスへ行きます。アフターファイブを結構楽しみにしてますが、その話は後ほど書きます。

 今回のメドトレードでは初めて美濃先生とご一緒したわけですが、医師として褥瘡予防の第一人者としての美濃先生は普段のお付き合いで存じてましたが、実はその他にも経営者、開発者、或いはユーザーとしてなど様々な視点から物事を見ておられ、とてもたくさんのことを学びました。

 例えば車椅子用スロープの主流は板状のものですが、メドトレードでは30cmくらいの板をつなぎ合わせたものが普段はロール状になっており、使う時にはそれを伸ばすと2mくらいの板になる、という商品がありました。この商品は、普段の収納スペースがとても小さく、持ち運びにも便利という長所があります。私がメドトレードで興味をもった十数点のうちの一つですが、自分では結構気に入ってました。
 
 美濃先生にアドバイスをいただこうと思い空いている時間に一緒にそのブースまで行っていただいたのですが、商品を一目見るなり一言。『複数の車椅子の人が使う時は、車椅子のサイズによっていちいちレールの間隔を変えないといかんな。』それに続いて『雨の日には車椅子の車輪が滑るなぁ』『旅行に持って行くのは良いけど、そもそも階段のところすらバリアフリー化してないところは、トイレとか他で不便があるやろなぁ』『介護する男の人が二人もいたら、このスロープ敷くより手で抱えた方が早いやろなぁ』と波状攻撃。とどめの一撃は『日本でこの商品をこの価格(結構高いんです)で買う人はどれくらいいるかな?』『台湾や中国で作ったら三分の一くらいの原価でできるなぁ』

 『先生、最初のいくつかはともかく、最後の市場分析や原価の話はディーラーや貿易商社としての私の領域ですよ!』と言いそうになるのをぐっと呑み込んで敗北を認めました。何に敗北を認めたかと言いますと、複数の人が使うには不向きということは全く気付かなかったということと、商品のアドバイスだけでなく企業家的な着眼で観ておられたということにです。

 偉そうなことを言うようですが、私たちもプロです。そのプロが陥りやすい落とし穴は、良いアイデアを思いついたり良い商品を見つけた時に、周りが見えなくなってしまうことです。『すばらしい!絶対ヒットする!』という思いが先にたってしまい、客観的判断ができなくなってしまいがちなのです。私はそのために、感動が薄れた頃(2、3日後)つまり頭が冷めた頃にもう一度冷静に見つめ直すようにしていますが、初めて見た商品でそれらすべてを一瞬で分析してしまうというのは恐れ入りました。

 もうひとつエピソードをご紹介します。これは後にご紹介するラスベガスでのことですが、宿泊したホテルはミラージュホテルといい、ラスベガスの中でもベラッジオホテルと並んで人気のホテルです。そのホテルのカジノを横切っていた時に、私は床のカーペットがものすごく高級かつ上品(ある種の芸術性を感じました)であることに気付きました。そこで美濃先生に『先生、このカーペットすごいですね。ここまで繊細に作ろうと思ったらペルシャ絨毯なみの値段になりますよね』と話し掛けると、美濃先生はむつかしい顔で『僕もさっきから見てたんだけど、それよりも横幅で何メートルも切れ目がないねん。っていうことは、これだけ立派な織物を少なくても幅5m-6m、長さ数十m連続して織ってるってことでしょ。そっちの方が凄いよ。』
後でホテルの人に聞くと、もちろん特注の絨毯でカジノ部分だけでも数億円かかっているそうです。

 私も結構何にでも興味をもつ方で、日頃から歩いていても食べていても『なんでマンホールの蓋は丸いのかな?四角い場合の良いところは?悪いところは?』や『このレストランはどうしてこの色の、この材質の、この形の椅子を使ってるんだろう?』などと他愛もないことばかりを考え、場合によってはその答をとことん捜し求めて生きています(笑)。ほとんどは大した理由はありませんが、中には思わずうーんと唸ってしまうような工夫や思いのこもった理由のものもあります。また話がわき道へ逸れてしまいましたが、つまり言いたかったのは、住宅展示場でも絨毯展示場でもない異国の、それも豪華絢爛で熱気に包まれたカジノ場で、あろうことか床の絨毯に心を奪われて魅入っている私も変わり者ですが、その絨毯の切れ目を探していた人がいたとは、私にとって衝撃的事実でした。

 『円柱も真横から見ると四角形、真上から見るとただの円』とは多角的に物をみる喩えでよく使われますが、美濃先生の場合は『中に入って内側から見ると』や『斜めや縦に切ると』『三角柱をくっつけると』なんていう超多角的な視点があるようです。
この数日間ご一緒して美濃先生の人となりを知ることができましたが、総じて言えることは『恐るべし美濃先生』です。





   

散歩がてらにジャクソン広場へ (ニューオーリンズ編)
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ニューオーリンズを離れる瞬間が刻一刻と迫ってきます。今度は何年先になるか分かりませんし、メドトレードがここで開催されなければもう来ることもないか もしれません。そう思うと居ても立ってもおられず、早めの朝食をとるとホテルから徒歩20分くらいのところにある『ジャクソン広場』へ出発までの僅かな時 間をつかって散歩に出かけました。
  なにもマイケル・ジャクソンの記念公園ではありません。アンドリュー・ジャクソンというアメリカ第7代大統領の騎馬像がある広場です。

広場はフレンチクォーター地区にあり、周りはフランスの植民地時代の名残が残っています。この騎馬像はアメリカで最も美しい騎馬像の一つとされており、その後に見える聖ルイス大聖堂はアメリカで最も多く写真に撮られる大聖堂の一つとのことです。


ph-p-10.jpg余談ですが、アンドリュー・ジャクソン元大統領は、1815年に起きたニューオーリンズ戦争で攻めこんできたイギリス軍を見事な戦略で撃破した英雄で、ア メリカに一度でも行ったことのある人は、必ずどこかで見たことのある人です。実は20ドル紙幣の肖像画が、アンドリュー・ジャクソン元大統領その人なので す。紙幣の肖像画に使われるくらいですので、日本で考えると聖徳太子や夏目漱石くらいにメジャーな人物ということです。


ph-v-22.jpg広場の外周には、似顔絵や風景画を描きそれを生業にしている絵描さん達がいたり、ジャズの街頭演奏がされたり、大道芸人がパフォーマンスを披露したりととても賑やかです。




ph-p-18.jpgまた、道沿いには小さなお店がたくさん並んでおり、どちらかと言うとその土地独特の土産物を売っています。





ph-p-17.jpg今回は時間がないのであまりゆっくりとできませんでしたが、休日であれば半日くらいは時間をかけてゆっくりと探索したい地区です。ルイジアナ州立博物館や 広場の全景が見渡せるワシントン大砲公園、1850年に完成したアメリカ最古のアパート『ポンタルバ・アパートメンツ』などがあります。









   

最後にあたって (ニューオーリンズ編)
軽い気持ちで書き出した道中記ですが結構なボリュームになってしまい、最後までお付き合いいただいた読者の皆様には厚く御礼申し上げます。メドトレードについての総論ですが、『パーソナル・メイド』という傾向が特に高まってきたと思います。例えば、今までの『メーカーが作った車椅子に乗る』という時代から『お客が乗りたい車椅子を作る』という時代へ変わりつつあるようです。

 私たちがニューオーリンズで、米国アクションプロダクツの開発スタッフと長時間にわたって議論していた内容の一部をご紹介しますと、車椅子用の床ずれ防止用具についてですが、現在、欧米各国では床ずれと座位保持(正しく座った姿勢を継続すること)とは切り離せない問題であると考える研究者が多くいます。例えば如何に優れた床ずれ防止用具を使用しても、腰が前にずれた姿勢ではお尻の脂肪の少ない局所に体重が集中し、床ずれのできる危険性が高くなります。

 米国アクションプロダクツは、このような問題を解決するために『車椅子用のパッドは、今までは平状のタイプを主力にしてきたが、これからはお客様の姿勢に合わせて座位保持クッションをオプション商品として提供していく』との基本姿勢を打ち出しました。どのような体型の人でも、どのような状態であっても、正しい姿勢で座れるように数十種類の様々な形状やサイズのクッションで座位保持の補助をするというものですが、この考えには私たちを含めた世界50 カ国に展開するアクションプロダクツグループのすべてが同意しました。また、先行して座位保持クッションのオプション販売を始めた米国では、絶大な支持を受けて急成長しているとのことでした。

 ところが問題は、国によって営業員や販売員、看護師、療法士など関係者の床ずれや座位保持に対する知識のレベルなどが違うということです。日本では座位保持という考え方自体がまだ新しい分野で、"正しい座り方"についての専門的な知識はそれほど浸透していません。"正しい姿勢で座れるように数十種類のクッションで補助する"ためには、お客様一人一人についてどのクッションを組み合わせるかを専門知識をもった人が選定しなければなりませんが、そのような人が各都市に何十人、何百人いる米国と違い日本は圧倒的に不足しています。
 数日程度の研修を受けるだけでは専門的な知識を身に付けることはできず、しかも最低でも数千人という関係者が専門知識を身に付けなければ正しく機能することができません。

 この問題の結論として、私たちは『100%の方に満足していただくために数十種類のクッションを用意するが、専門知識をもったアドバイザーによる選定が必要である』というアメリカ式を最終目標とするものの、まずは『80%の人に満足していただくために数種類のクッションを用意し、基礎知識さえもったアドバイザーであれば選定できる』ということに取り組んでいくことを決めました。そのために日本人の標準体型に合った座位保持クッションの開発を早急に行なうと同時に、現在無料発行している『正しい床ずれの予防と介護』に加えて座位保持に関するマニュアル書を配布し、販売員や看護師、療法士など関係する方々に基礎知識を吸収していただけるように全力で頑張って参ります。

 最後になりますが、床ずれや座位保持についての情報や知識、経験談をおもちの方がいらっしゃいましたら、マニュアル書改正にあたり参考にさせていただきますので、どのようなことでもお教え下さいますようお願い申し上げます。
 また、メドトレードは毎年開催都市を移動しており、近年ではニューオーリンズの他にアトランタ、オーランドにて開催されていますが、アトランタとオーランドの情報と、ヨーロッパ最大の福祉機器展が開催されているドイツのニュールンベルグ、デュッセルドルフの道中記とまだまだ続く予定ですが、もしもこれらの都市の展示会見学をお考えの方でお知りになりたいことがございましたら、お気軽にメール等でお問い合わせ下さい。
 皆様のご健康とご多幸をお祈りして、あとがきとさせていただきます。