Ky ROTARY BIT とは

しくみ

手綱づかい(拳扶助)の革命

これほどまでに乗り手が手綱を通じての指示をじかに馬に伝えられたことはありませんでした。 というのも、ロータリーハミのボールジョイントのおかげで、 騎手の手からの指示が直接、とても細かく、それも即座に馬に伝わるのです。 どんな手綱を使っても、今日、これ以上正確に馬とコミュニケーションをとる方法はないでしょう。

馬に関するすべてに言えることですが、 事実をよく吟味することと、ある程度それが正しいと信じることで、 適切なハミを選択することができます。 ハミにとって重要なのは、 その馬に合っていること、幅広すぎず、ぶ厚すぎず、また薄すぎもしないことです。

よく使われるのは、シングルジョイントまたはダブルジョイントのハミです。 ここではこの二つを説明します。 シングルジョイントのハミも、ダブルジョイントのハミも、 いわゆる水勒、あるいは両端の接合部にエッグバットかD字型のリングのついたタイプがあり、 そこに革製の手綱と頬革がつながれます。

ハミが合っているということ

小勒ハミは乗り手と馬の重要なコミュニケーションの道具であり、慎重に選ぶべきものです。 その際、とくに気をつけなければいけないのは、形状が合っていることです。 ちょうど合うハミを使ったときにだけ、馬とぴったり息を合わせることができます。 購入の際には解剖学的な観点のほかにも、 それを使う目的や乗り手と馬の熟練度を考慮しなければなりません。

基本的に、ハミは幅が広すぎても狭すぎてもいけません。 狭すぎるハミは口角の怪我のもとになり、馬の口を締め付けてしまいます。 逆に広すぎると傾いてしまい、たいていは口にうまく収まりません。 このような状態では馬と信頼関係を築くことはできません。 ちょうどよく収まったハミとは、小勒のリング(ハミ環)をまっすぐに引いたとき、 馬の口の左右から0.5センチほど端が覗く程度のものでしょう。 さらに、ハミは歯に当たってはならず、口中の臼歯と切歯もしくは犬歯の間の、 歯のない空間(はみうけ)に位置するようにつながなくてはなりません。

ハミの違い

従来のハミの構造的な問題はマウスピースのつなぎ目でした。 リングでつなぐと、シングルジョイントのハミでは、 マウスピースの長さが異なってしまうという欠点がありました。 この方法では左右がちょうど同じ長さのハミを作ることができなかったのです。 さらに、マウスピースのつなぎ目が輪状になることで、ある種の遊びが生じるという難点もありました。 この遊びにより、乗り手からの指示がタイムロスをもって馬に伝わり、 正確に馬を静止させることができなかったのです。

欠点の克服

ロータリーシリーズの開発により、マウスピースの新しい連結方法が提案されました。 このシリーズはシングルジョイントまたはダブルジョイントという伝統的な形状を踏襲しつつも、 マウスピースのつなぎ目に革新的な方法を用いています。 ロータリー特殊鋼ハミのマウスピースは、リングではなく、小さなボールジョイントでつないであります。 これが非常に優れたものなのです。 たとえば、二つのマウスピースは他方がどこに位置していようとそれぞれ自由に動き、 360°回転可能です。 さらに、マウスピースはボールジョイントのおかげで左右対称、つまりまったく同じ長さで、 その結果、シングルジョイントのハミでも馬の口のちょうど真ん中に収まるようになりました。 この技術によりはじめて、 乗り手は左右の手の指示をシンメトリックに馬に伝えることが可能になったのです。

正確な意思疎通

ロータリーハミをよく観察すると、伝統的なマウスピースのつなぎ目とは違い、 精緻に作られたボールジョイントが遊びをまったく作らないことが分かります。 これにより馬との直接的でソフトなコミュニケーションが可能になりました。 乗り手の手綱づかいは、マウスピースの不安定なつなぎ目ではなく、 精巧なボールジョイントを通して、タイムロスも遊びもないまま、直接、馬に伝えられます。 このボールジョイントのおかげでダブルジョイントのハミも、 従来の類似品に比べ、安定して舌の上に乗るようになりました。