Ky ROTARY BIT とは

トップアスリートの声   (BUSSE Magazine Spring 2010掲載)

レオニー ブラーマル氏
ハノーヴァー市郊外の調教師。
調教検定Sクラスからグランプリクラスまで2700以上の実績を持つ。
オリンピック代表2回。

レオニー ブラーマル氏

『いろいろな馬を数多く調教してきた者として、日々さまざまな問題の解決に取り組 んでいます。馬は調教の過程で変わりますから、私もそれに対応しなければなりませ ん。

これはとくに、ハミについてもいえます。私は「停止」の練習を繰り返しなが ら、ハミを通して馬と意思疎通を図るのですが、馬によってはシングルジョイントの ハミがいい場合もありますし、ダブルジョイントを好む場合もあります。よく言われ るように「万能なものはない」わけですし、対応そのものも変化しますから、教え子 たちにはこう言っています。ときどき違う形のハミを試してごらんなさい、と。

ロータリーハミがドイツ市場に出てきてから、ハミの可能性は格段に広がりました。 私にとってロータリーハミは信頼を得る選択肢の一つです。シングルジョイントのハ ミを好む馬を調教していると、マウスピースが完全に同じ長さであるという構造的な 利点をはっきり感じます。

このハミは常に左右対称で、それが調教の際の指示にも反映されます。この特性はと りわけ歩様の移行のときに際立ちます。馬の歩様が変換する際も、(ハミ受けが)片 寄りなく、左右のバランスがとれた状態でハミを受けていなければなりません。私の 経験からすると、シングルジョイントのロータリーハミは、乗り手がそうした不均衡 を修正する際によい影響を及ぼします。ダブルジョイントのハミを好む馬もいます。 ダブルジョイントのロータリーハミは、二つの完全に球形のボールジョイントが解剖 学的に舌や口の形状にさらによく適合します。口角や舌が挟まれたり締め付けられた りすることはほとんどありません。

ハミ受けが活発でない馬は、このハミを通じて細 かく迅速な指示を出すことで、たいていは状態が改善します。ハミ受けが非常に活発 で舌遊びの多い馬も、エッグバット銜環のあるダブルジョイントタイプのロータリー ハミを使えば、その恩恵にあずかることができます。このハミは口中に十分なスペー スを作るので、馬が満足し、また、それにより活発な舌の動きが良い意味で落ち着 き、ハミの受けもよくなります。

これらのバリエーションを私のハミの選択肢に加えることができるとは、なんて素晴 らしいことでしょう。

よいハミがあるだけで乗馬がうまくいくわけではありません。しかし、ロータリーハ ミのコレクションで年齢や調教レベルの異なる馬に多くの可能性を与えることができ るのです。』